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システマとリラックス

だいぶ間が空いてしまいました・・・

アロマテラピー検定を受けて歴史に興味がわき、香りとハーブの歴史を調べていました。卒論書けるくらいのデータを集めたので、ちょっとずつアップしていきますね。

システママッサージがなぜあんな内容なのか、ナイチンゲールが看護改革に乗り出した時、なぜ看護があんなサイテーな状態だったのかとか、ついでにいろんなことがわかりました。やっぱり歴史はおもしろいですね。

「システママッサージ」の続きで、システマについて。

「システマ」はロシアの軍隊格闘技です。マンガで見たことある方もいらっしゃるかもしれません。

ロシア軍特殊部隊の元教官ミハイル・リャブコ氏が編み出した格闘技です。ロシアの伝統的な格闘技が組み合わさって作られたのだと思いますが、できたのは20世紀初頭ですので、システマ自体の歴史はあまり長くありません。

ガチの軍隊格闘技ですが、試合はありません。「試合ないんですか?」とシステマのサークルのリーダーに聞いてみたら「本気でやりあったらどっちか死んじゃうよ~」と笑いながらおっしゃっていて、これ冗談めかしてるけど、けっこう本当なんだろうな・・・とブルブルしてしまいました。ナイフ戦闘術もあるので(もちろん模擬ナイフです!)、市の体育館でやっていると、ちょっと異様な感じになります(笑)

システマでは個別の技よりも、身体の使い方の原理を習得することに重点が置かれている。特に以下の4つが、システマ的な身体の使い方の基本原則であるとされる。

Keep breathing (呼吸し続ける)

Stay relaxed (リラックスを保つ)

Keep straight posture (姿勢を真っ直ぐ保つ)

Keep moving (移動し続ける)

● Keep breathing

システマは呼吸法を重視します。酸欠が脳に悪いのはもちろんですし、疲れもたまり、回復も遅くなります。呼吸が滞れば体がこわばり、体がこわばれば隙ができ、隙ができれば戦場では死につながる。軍隊格闘技で、呼吸法を重視するのは当然ですね。

呼吸法を身につければ、緊張やダメージを自分で開放することができますので、現代人にもとっても役に立つと思います。病院でも取り入れればいいのにね~

ヨガやピラティスと違って、システマ呼吸法は、腹式と胸式の中間のような「完全呼吸」、深いけれど偏りのない呼吸法なので、そこもおすすめのポイントです。胸式呼吸のピラティスをやっているセラピストさんが、「ピラティスで胸式呼吸で体を動かす癖がつき、腹式呼吸ができくなった」とおっしゃっていましたが、わたしもヨガをやっているときは腹式呼吸で運動する癖がついてしまい、困った覚えがあります(それもあって太極拳に転向したのですが)。具体的な方法は「やわらかな頭、もっと動ける身体のための! 最強のリラックス システマ・リラクゼーション」をご参照ください。システマ以外のどの武術をする方にも、ヨガやピラティスをする方にも、セラピストさんにもかなりおすすめです。あと以外にダンサーにもおすすめかも。

アレルギーや喘息、吃音の方や、コミュニケーションに困難を感じている方も、ぜひ読んでいただきたいです。

●Stay relaxed

これがいま日本でシステマが注目されている最大の理由ではないでしょうか。具体的で効果的なリラックス法。日本にだって合気道とかあるじゃないかと思われるでしょうが、軍隊格闘技から始まっているだけあって、理念重視の日本の武道より、ドライで現実的、わかりやすく効果的。自分の実感を一番重視するので、とてもやりやすいです。歴史の短さがプラスに活きている感じですね。

システマの動きは、なんというかぐんにゃりしていて、とにかく脱力を重視しています。日本の武術でも、達人の構えはだらりとしていますが、いつどこから来られても対応できるようにするためには、脱力が大事なわけですね。

そしてスマホやパソコンに長時間さわり、夜でも明るい部屋にいて、運動不足で上虚下実の逆を行く現代人には、リラックスの技術は本当に大事です。正直、効果的な身体のリラックス方法を知っているかどうかは、命にかかわる問題ですね。

●Keep straight posture

システマのサークルで歩き方をチェックてもらったんですが、かなり前に重心がかかっていて、修正するのも一苦労でした。ですが、直せば楽になります。

太極拳でも「腰を抜かないで!骨盤立てて!」といつも注意されますが、姿勢は本当に大事。そして自分では、どう悪いのかなかなかわかりません。プロに見てもらうといいですよ。もちろん本物じゃないと意味ないので、がんばって探しましょう!

●Keep moving

これに関しては、言えることないなぁ。体験してください。結局生き物は、動いていなければ衰えるしかないわけですね。と、もっともらしいことを言ってみたり。

 

「癒し」や[心の傷]の治療では、ことばだけの治療が一般的ですが(NHK「クローズアップ現代」によると、つらいことを言葉で繰り返し思い出させ、それに慣れさせる「曝露」という方法がまだ日本では主流なのだそうです)、身体からのアプローチは現実的に効果があると思います。

身体も心もボロボロの状態で心の問題に取り組むより、元気な身体の方がうまくいきそう。それに、その「心の傷」をそのままであらしめているものは、「からだの奥深くの緊張」ではないでしょうか。

身体には実体があり、心はさわることも見ることもできない。そして心は、身体に乗っかって存在しているわけです。

身体からの癒しは、とても現実的で優しいアプローチだと思います。

 

「からだのスピリチュアリティ」は、スピリチュアル系の本ではありません(笑)邦題が悪い!

すばらしい本です。ローエンの研究が、もっと陽の目をみますように。