必須教養であり科学だった占星術
ハーブ療法と占星術のコラボで人気のニコラス・カルペパー。現代から見るといかにもうさんくさいですが、占星術って、昔はどんな存在だったんでしょうか?
「ナルニア国物語」の作家で、中世文化を研究していたC・S・ルイスが、「現代人の常識で、昔の人たちの考えを想像してみても、何もわからない。そもそも、宇宙観が全く違うんだから、今の考え方でうさんくさい、オカルトだと思っても、的外れだ」というようなことを言っていたことを思い出して、いろいろ調べてみました。
- 作者: C.S.ルイス,Clive Staples Lewis,山形和美,永田康昭,小野功生
- 出版社/メーカー: 八坂書房
- 発売日: 2003/04
- メディア: 単行本
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どうもこの本の引用を、どこかで読んだみたい。中世の人たちが、宇宙をどうとらえていたかという本です。
「ナルニア国物語」でも、「ナルニアでは、人が生まれると一つ星が生まれ、その人が死ぬとその星も消える」、という話があったんですが(どの巻か忘れた)、全ての存在は運命の星を持つという設定は、中世の宇宙観や占星術の研究から生まれたんでしょうね~
というわけで、今日はリベラル・アーツについてです。
リベラル・アーツといえば、日本では大学の教養学部のイメージですが、本当の意味はかなり違います。
自由七科や自由七学芸と訳されるリベラル・アーツ。
リベラル・アーツという表現の原義は「人を自由にする学問」であり、それを学ぶことで一般教養が身につくもののことであり、こうした考え方の起源は古代ギリシアにまで遡る。
欧米では、神学、法学や医学の専門職大学院に進学するための基礎教育としての性格も帯びている。
具体的には、文法学・修辞学・論理学の3学と、算術・幾何・天文学・音楽の4科を指します。
つまり、医者になる人は医学の専門教育を受ける前に、必ず天文学を学んでいたということですね。そして占星術は、天文学の一部でした。
占星術と天文学がわかれて、占星術がオカルトになったのはいつか?というのが、意外と難しいです。地動説が一般まで浸透することで、占星術が科学ではなくなったんだと思うんですが、うーん、いつだろう?
1543年に、コペルニクスが「天体の回転について」で地動説を論じていますが、広く認められたわけではないし、ケプラーの「ケプラーの法則」かニュートンの「万有引力」の発見が決定打になったのかな?といっても、ニュートンは「最後の錬金術師」と呼ばれるほど、バリバリのオカルティストだったようですが・・・ちょっと調べ中です。
占星術が大学人の必須教養だったというのは、今の感覚ではかなり変ですが、星の動きを観察し、法則を見出し、予測するというハイレベルな技術が必要な占星術は、長い間最先端の科学だったのです。西洋での占星術の伝播の動きを見ても、ギリシャ⇒ローマ⇒イスラム⇒ヨーロッパと、医療や科学と全く同じ流れですね。