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How to be your own doctor

アロマ&ハーブ、ボディワーク、アトピー性皮膚炎の情報など

ジョン・パーキンソン著『日のあたる楽園、地上の楽園』

アロマとハーブの歴史(世界)

今日は、アロマテラピー検定に出てくるイギリスのハーバリスト、ジョン・パーキンソンの代表作から、「Paradisi in Sole Paradisus Terrestris(日のあたる楽園、地上の楽園)」についてです。残念ながら、日本語版はありません。

ちなみに、もう一冊の代表作「Theatrum botanicum」は、直訳すると「植物の劇場 」。「劇場」は「世界」を意味していますので、「植物の世界」ですね。

この2冊のネーミングセンス・・・パーキンソンは絶対ロマンチストです(笑)「Theatrum botanicum」は、他の古い本草書と同じく日本語訳はないのですが、関係書では「広範囲の本草学書」という武骨なタイトルで知られています。ロマンチックもパーキンソンの特徴だと思うのですが、それを無視した訳でいいのかな?

 

園芸書「Paradisi in Sole Paradisus Terrestris(日のあたる楽園、地上の楽園)」は、1629年、ジェラードの本草書1597年版(最初のバージョン)の32年後に出版されました。

第一部「 the flower garden(花園)」、第二部「the kitchen garden(菜園)」、第三部「 the orchard garden(果樹園)」という構成です。有用植物を利用するための、実用的な情報が満載されています。

実用的なだけではありません。タイトルの「Paradisi(楽園)」にふさわしく、美しい植物がたくさん掲載されています。中世の菜園の実用主義や、医術・治療だけを目的としたそれまでの本とは、大きく異なる内容です。薬用植物についての第4部を構想していましたが、それはのちに「Theatrum botanicum(広範囲の本草学書)」として、独立した本になりました。

ちなみに、"Paradisi in Sole(日のあたる楽園)"は英語で"Park-in-Sun"、 著者の名字"Parkinson"をもじっているそうです。ちょっとした遊び心ですね。

イギリス庭園の文化史―夢の楽園と癒しの庭園

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 ジョン・ジェラードとジョン・パーキンソンを比べてみると、パーキンソンは国王の薬剤師になっていますし、王妃の教育係でもあった、インテリで正統派という感じ。そしてロマンチストですね(笑)。一方のジェラードは、床屋外科で、高度な教育を受けていません。趣味で庭園を極め、ものすごいボリュームの本草書を出版しました。この人は、実務家・挑戦者・アウトサイダーといったところでしょうか。

床屋外科は、ジェラードが徒弟に入っていたことでもわかりますが、当時は「医者」というより「職人」でした。そしてなぜ航海に「床屋外科」が必要だったかというと、当時の大きい船は帆船で、船員は帆の上げ下ろしのために、マストにあがったりするわけですね。船は揺れているし、嵐もあるし、落ちて大怪我をすることもある。当時の船員さんは、事故で手足に障碍がある人も、少なくなかったみたいです。

次回は、もう一つの代表作「Theatrum botanicum(広範囲の本草学書)」といきたいところですが、調べるのに少し時間がかかりそう。お待ちくださいませ~