中央アジアの乙嫁、ついでにお茶の話
「乙嫁語り」の新刊が出ていいました!表紙のアミルさん、民族衣装がかわいいなぁ。赤い刺繍のはいった民族衣裳っていいですね~
物語の舞台は、19世紀後半の中央ユーラシア。遊牧民出身の美人なお嫁さん(乙嫁)アミルさん(20歳)が嫁いだのは、定住民が暮らす村。夫のカルルクさんは、なんと若干12歳だった・・・!
かわいい年の差カップルのほのぼのオリエンタルマンガと思いきや、さすが「エマ」の漫画家さんですね。遊牧民の価値観や文化が現代の日本人とは全く違う、彼らには彼らの誇り、価値、幸せがあるのだということを、冷徹に突きつけてきます。
必要であれば奪う それはいい
皆そうして生きている
我々が勝てば多く得て 負ければ奪われるだけの話だ
だかそれは 己のみの力でやればいい
現代人とは、まったく違う価値観。厳しく、苛烈で、現代人から見れば野蛮で間違った考え方かもしれません。そして女性の地位の低さも、読んでいて同じ女として辛いところです。
でもそれが、彼らの世界。今のわたし達の正しさなんて関係ありません。それに、登場人物の気持ちが、全然わからないわけではないんですよね。基本、かわいくてあたたかい。人の絆が強くて、自然の中で生きています。そして、民族衣装や風習、結婚式がおもしろいです。彫刻や刺繍、馬や家など、すごい描きこみです。これは作者の愛だね・・・!
遊牧民といえば、野菜があまり摂取できないので、必須ビタミンはお茶でとることになります。なので、お茶は嗜好品ではなく、命にかかわる必需品。命をつなぐメディカル・ハーブでした。紅茶より、ビタミンを多く含む緑茶が好まれました。
アメリカ開拓時代も、日本から輸出された緑茶が、真っ先に開拓先に届けられていたそうです。
ちなみにイヌイットの人は、生肉でビタミンが摂取できるので、緑茶は必要なかったんだとか。
以上、お茶トリビアでした!