ヤングリヴィングとドテラにFDAが警告
おひさしぶりです。ウィキペディアに夢中になって、ブログの存在を忘れていました。ちまちま書き足し続けているので、改善された記事もあるかな。
最近、ヤングリヴィングとドテラという会社が精油でマルチ商法をやっていて、色々すごいよ(悪い意味で)という話を聞き、まったく聞いたことがなかったので調べてみました。
・・・なんかすごいですねー
アメリカの20周年のコンベンションとか、「どれだけあくどく儲ければ、ここまでお金集まるんだろう…」と戦慄するレベルの会場のでかさ&派手さでした。そして雰囲気は、新興宗教に酷似していますね。ひえ~
ヤングリヴィングとドテラについては、英語では多様な情報があっても、日本語では連鎖販売取引の会員による全肯定で実のない内容ばかりなので、ウィキペディアの英語版を翻訳しておきました。ウィキペディアのいいところは、検索上位に表示させられることですね。これでもう「知りませんでした」とは言わせないぜ!
両社の頭悪すぎな裁判合戦の過程で、精油の検査結果を偽造していたこと、天然100%の精油は合成物質が混ぜられていたことなど、英語圏では広く報道されています。
日本の会社は、この裁判結果が出たとき、会員に説明をしたのでしょうか。してないだろうね。それでも全面的に会社が言ったことを信じてるなんて、すごいわー(棒)
そして9月末にアメリカ食品医薬品局(FDA)から「これ以上うちの精油で病気治りますとか馬鹿みたいなこと言い続けたら、どうなるかわかってるよな・・・(意訳)」という警告レターが出され、これも広く報道されました。エボラ出血熱に効くとアピールするなんて、嘘だろ・・・と思いますが、本当に言っていたらしいです。
もちろん、日本では全然報道されていません。ヤングとドテラは、「英語圏でなにやらかしても、日本には届かないからモーマンタイ!日本人は金あるし科学に弱いし信じやすくて、ほんといいカモだよね~」と思っていることでしょう。
ヤングリヴィングでは、バジルやタイムなど刺激の強い精油を原液のままで脊髄の上に50滴近く垂らすという「レインドロップセミナー」を推奨しているそうです。敏感肌じゃなくても皮膚が爛れそうな内容ですが、これで会社が崩壊することなく続いているのが不思議です。人間って結構丈夫なんですかね。
アメリカのアロマセラピー業界は、これと同一視されたら困ると思ったらしく、レインドロップセミナーの危険性を訴える報告書を出しています。日本もいろんなアロマテラピー協会がありますが、特に何か言っているところはないですね。空気読みあっている場合なんでしょうか。
公益に利するということで税制上の優遇措置を受けている「公益社団法人」日本アロマ環境協会は、お仕事する気はないのかな(苦笑い)
公益社団法人は、社団法人であり、定められた23事業で、公益のためにある(っぽい)なら、認可に確固とした条件はないらしいです。認可は、その時の担当のさじ加減という感じ。一度なったらやらかさない限り、取り消されることはないみたい。
でもこれ、みんな「公共の利益のために頑張ってる立派な団体なんだ。利益は二の次なんだ!」と信じますので、もうちょっとなんとかしてほしいですね。資格商法をしているところは、資格は実体がない商品(モノではない)ので、儲かって儲かってしょうがないでしょう。
日本アロマ環境協会に関しては、精油の認証がかなり微妙なので、このあたりも突っ込んでいきたいと思っています。日本に偽和されていない精油はほとんどないと言われたりしますが、その一端は日本アロマ環境協会にあると言わざるを得ないでしょう。ちゃんと仕事しろといいたい。
先週のガッテンはアトピーの人は必見です!
地味に役に立つ番組「ためしてガッテン!」。先週の内容は「美肌の大敵! 治らないニキビの正体」でした。これがすごくよかった!さすがガッテン、安定のクオリティです。
美肌の大敵! 治らないニキビの正体 : ためしてガッテン - NHK
ニキビのように見えてニキビじゃない、3つの病気を紹介しています。間違えたら命にかかわることもあるというのが怖いっ。
アトピーの人は皮膚の抵抗力が落ちていたりしますし、紹介された病気にはステロイドが逆効果になるものもあるので、これは絶対にチェックです!
無意識に顔を触ることが原因になるものもあり、かゆみに敏感になっているアトピーの方は、これはほんとに気をつけてほしいです。完全にやめるのはむずかしいかもしれませんが、気づいた時だけでも、皮膚ではなく服を触るようにしたり、掻いたりこすったりしないようにしたり、こまめに手を洗ったりするだけでも効果はあると思います。赤ちゃんの頬が炎症を起こしたので皮膚科に行ったら「頬ずりのしすぎです」と言われたという話を聞いたことがありますが、皮膚を触るのは意外と炎症の原因になっているんです。やめればそれだけで完治することもあります。
ガッテンの番組内容は印刷できるようになっていますが、一定期間たつと消されてしまうので、今のうちにぜひ印刷しておいてくださいね。ガッテン!
四大元素と四体液
ウィキペディアで西洋ホリスティック医学関係を更新していたら、いつの間にか時間がたっていました。
しばらくぶりでございます!
今回更新していたのはこのふたつ。
超基本理論になります。四大元素がなかなか情報がなくて、ほんっとに大変でした。
国立大学が出している本で「世界は四大元素でできていて、その配分で熱・冷・湿・乾の4つの性質が現れます」となっていたので、信じてイブン・シーナーとかいろんな文献を読んでいたら、なんか・・・内容がかみ合わない??
あわててさかのぼれるだけさかのぼってみたら、アリストテレス哲学が大本でした。そして、四元素と四性質の関係は、なんと逆!
4つの性質の組み合わせで、4つの元素ができるのです。これならイブン・シーナーの『医学典範』とも内容が合致します。大学の先生は、なんで問違えてたんだろうか・・・国立なのに・・・
今回のことで、ヨーロッパ思想をやるなら何でも古代ギリシャまで遡らないといけないということを痛感しました。というか、アリストテレスがすごすぎて驚く。ヨーロッパの思想でも科学でも、何を調べてもアリストテレスに行きつきますね。完璧超人。
4つの性質によって、人間の体質や、ハーブの性質ができるんですね。これは今の欧米のハーブ医学では、「エネルギー」という項目名で書かれていることもあります。
あとは、英語版の「中世の医学」を訳したらしばらくいいかと思っていたんですが、アーユルヴェーダでとんでもない誤訳を発見したので、しばらくこちらも調べてみようと思います(誤訳は修正してます)
ユナニ医学とヨーロッパの伝統医学
調べもののついでに、ウィキペディアにたまに書きこんでるのですが、新規に立ち上げたページ「ユナニ医学」が、月間新記事賞をいただきました。
ありがとうございます!これはがんばったのでうれしい。まとまった情報が読める場所がネットにも本にもほとんどないので作りましたが、楽しんでいただけてなによりです。同時に受賞した記事も、「富岡製糸場と絹産業遺産群」など、とても充実した内容。
「良質な記事」というのも受賞したんですが、その選考過程で(あとから見ました)、いろいろご意見をいただきました。
- 16世紀以降のヨーロッパ科学史・文化史の中での位置づけ
- 感染症やガンなど、どの程度まで治せてどのくらいが限界だったのか
- 現代医療がどのようにしていつくらいから置き換えて行ったのか
というようなことがわかればもっといいなーとのこと。
ヨーロッパの中での位置づけは、「ユナニ医学」の項目でやっていいのかなという疑問もあって、そのあたり薄めにしていたんですが、ヨーロッパの伝統医学って、基本文献はアラビアのユナニ医学の文献だし(イブン・シーナとか)、ユナニ医学の一部という扱いでいいのかも。
それにヨーロッパの伝統医学って、名前がないみたいなんですよね。名前がないってことは、やっぱり独立したものではないだと思います。
このあたりがあまり注目されることがないのは、西洋近代医学が大成功したので、その反動で低く扱われたというのもありそうです。一昔前の、日本における日本文化みたいなもの感じ。
それに、欧米のアロマテラピーの本なんかを読んでいてもたまに感じるんですが、アラビアの高い文化の影響を受けたことが、とってもとっても不本意で、プライドが傷つくみたいです。まあ、西洋の人って、キングオブ俺様というか、基本そうですよね・・・
感染症に関しては、戦争や栄養失調、衛生観念がなかったこととかもあり、単純に比較できないんですよね。でも、ユナニ医学は基本的に食養生なので、いったん感染してしまうと、治すのはむずかしかったんじゃないかと思います。
ニコラス・カルペパーの占星術医療の本が普及してからも、ほとんど死亡率などに変動はなかったみたいですし。
現代医療への置き換えは、英語の論文とか当たるしかないのかな?カルペパーの時代のアメリカも、「赤毛のアン」の時代のカナダも、まだまだ近代医療の治療はあやしいものだったようです。
ギリシャ・アラビア医学と四大元素
古代ギリシャのヒポクラテスに始まるといわれる西洋伝統医療「ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)」。
「4つの体液のバランスが崩れると病気になる」という「四体液説」、四体液と対応して考えられた「四大元素説」をベースに、占星術や錬金術が結びついて発展しました。
ユナニ医学の古典、イブン・シーナーの「医学典範」でも、「四体液説」と「四大元素説」は詳しく説明されていましたが、日本語ではあんまり情報がないんですよね。
というわけで、ウィキペディアの「四大元素」のページをがっつり書き足しました。
錬金術の本と、最近ちょっとずつ読んでいる占星医術の本と、あと『医学典範』を参考にしています。表現がむずかしいですが、独自解釈NGなので、お許しくださいませ。
占星医術とハーブ学の世界: ホリスティック医学の先駆者カルペパーが説く心と身体と星の理論
- 作者: グレアムトービン,Graeme Tobyn,鏡リュウジ,上原ゆうこ
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2014/01/28
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
占星術とハーブで有名なニコラス・カルペパーを中心に、西洋伝統医療を紹介した本。すばらしいですね!
アロマテラピー検定を受けたときにこの本があれば、血眼になって調べものをしなくてよかったなぁ・・・(遠い目)
といっても、なかなかいいお値段なので、当時は思い切りがつかなかったかもしれません。西洋伝統医療がくわしくわかる本はほとんどないので、高いけど買いです。
四大元素の説明もしっかりありますが、これはイブン・シーナーの説明と内容はほぼ同じでしょうか?イブン・シーナーすごいな・・・
古代ギリシャで「四大元素説」を最初に唱えた人は、エンペドクレスという人で、「火・空気・水・土」の4つの元素で世界は構成され、愛(元素を融合させる力)と争い(元素を引き離す力)で元素が集合離散し、自然や物質を構成していると考えました。
これが一般的にイメージされる「四大元素説」ですね。わたしもこれだと思っていました。
「愛」と「争い」っていうのも、ちょっとおもしろいですしね。でも、元素に感情があるわけではないので、そういった「力」をそう呼んでいるというだけみたいですが。
エンペドクレスはとても尊敬された人物だったそうですが、あるとき調子に乗りすぎたのか、自分は神だと証明するために、火山の火口に飛び込んで死んだ、といわれています。「オレ神様だから、火口に飛び込んだって大丈夫だぜ!」みたいな。
諸説あるうちのひとつなんですが、ぶっ飛びすぎていて、もしかしたら実話なんじゃないかという気がしてならない・・・(汗)
この有名なエンペドクレスの四大元素説ですが、後世にひきつがれた説はこれじゃありません。
まずエンペドクレスの説を受けついだプラトンが、「世界は四大元素でできている。四大元素は正多面体でできていて、分解可能で、お互いに変化することができる」と考えました。
これはちょっとびっくり。分解可能って、元素じゃなくない?と素で驚いてしまいました。
プラトン以降、ヨーロッパの四大元素説は、「四大元素っぽい説」になったといっていいのかも。
そして、後世に受け継がれたのは、エンペドクレスでもプラトンでもなく、アリストテレスでした。
天才アリストテレス。西洋文化の何を調べても、結局アリストテレスにたどり着くといっていいほどの影響力です。ヨーロッパ人がギリシャを「西洋文明の源」と呼んで執着するのも、ちょっとわかる気がする。この時代天才多すぎですよね。
アリストテレスは、世界史でちょこっと勉強した記憶はありますが、今さら真剣に読む羽目になるとは(苦笑)
面白いほどよくわかるギリシャ哲学―ソクラテス、プラトン、アリストテレス…現代に生き続ける古典哲学入門 (学校で教えない教科書)
- 作者: 左近司祥子,小島和男
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
イケメン薬剤師とおてんば姫の歴史ファンタジー
薬剤師という職業は裏方だからなのか、主役の物語はあんまりない気がします。
藤本ひとみの「ブルボンの封印」は、主人公が薬剤師の娘なので、薬や治療のエピソードもいろいろあります。この時代、治療は「悪い体液を排出すること」で、主な治療は瀉血や浣腸、薬も下剤や催吐剤なので、ちょっと怖いです。弱っているときに手首をグサッとやられて血をドバドバ流したら、治るものも治らない気が(焦)
ホメオパシーがドイツで流行ったのも、ペストの治療の際、ふつうの治療と違って瀉血をしなかったので、体力が削られず自然治癒率が高かったからだといわれています。
マンガで薬剤師の歴史ものはないかなーと探していたら、ありました!中世ヨーロッパ風の世界を舞台に、薬剤師が活躍するファンタジー。
暗殺者として、毒薬使いとして育てられた青年アルジャン(ハンサム)と、彼が仕えるプリムラ姫の物語。
アルジャンは、毒薬漬けで育てられ、自分自身が毒で、人と触れ合うことができません。身分違いなだけでなく、完全に望みがない、でもお互いしかいないという恋愛ものです。
アルジャンの設定は、古くから伝わる「ビーシュの娘」が元になっているようです。赤ん坊のころからトリカブトのそばで育て、トリカブトを摂取して育った人間は毒人間になる。そうやって育てた美少女を、敵国に献上して暗殺するというもので、わりと有名な伝説です。
これにもビーシュの娘の話がありました。
ただこれ、実際はトリカブトへの耐性はついても、毒人間にはならないような・・・でもおもしろい話ですね。
毒薬使いと、王位継承でもめている姫のお話なので、出てくる薬は毒薬が多めです。でも中世・近世ヨーロッパの薬剤師の歴史をもとにした、薬剤師ギルドや無免許医の話など、けっこう本格的でおもしろい。
レベル高いなと思ったら、作者は薬剤師さんでした。すごい。天はに物を与えるですね。
面白いほどよくわかる毒と薬―天然毒、化学合成毒、細菌毒から創薬の歴史まで、毒と薬のすべてがわかる! (学校で教えない教科書)
- 作者: 毒と薬研究会,山崎幹夫
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2004/10
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
日常の隙間でリラックス
またまたリラックスの本。
合間合間に細かくリラックス法を行って、ストレスを低減させよう!という本です。
座ってリラックスする「エジプト風ポーズ」など、紹介されているリラックス法はシンプルで実用的。効果がありそうです。文章主体なので、図に説明をそえる形だともっといいですね。
自分でやる場合、説明を読みながらやるのは無理なので、やり方を音読して記録し、聞きながらやるといいと思います。それか、要点を簡単に紙に書きだすとやりやすいかも。
こちらが原書。平安へ:多忙を極める生活のための気持ちを静めるテクニック。
Serenity to Go: Calming Techniques for Your Hectic Life
- 作者: Mina Hamilton
- 出版社/メーカー: New Harbinger Pubns Inc
- 発売日: 2001/04
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る