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ジョン・パーキンソンの植物収集と庭園と友人たち

アロマテラピー検定に出てくるハーバリスト、ジョン・パーキンソンについてです。パーキンソンについては、だいたい今回で最後かな。

ちなみに彼はカトリックで王党派です。この時代のイギリスは、カトリックプロテスタントがヨーロッパで激しくせめぎ合っていたので、どちらの信仰を持っていても大変でした。ウィリアム・ターナーのエントリではそのあたりは省いたんですが、プロテスタントの牧師だったターナーは、とても激動の人生だったようです・・・

 

それでは、パーキンソンのついて補足情報。

 

パーキンソンは、園芸書や本草書の執筆の他に、珍しい植物の収集でも知られています。

 パーキンソンは、プラントハンターのウィリアム・ボエル(William Boel)の探検旅行に出資し、ボエルは1607年から1608年まで、新種の植物を求めてイベリアや南アフリカを探検しました。このように、海外の友人知人を通じて、イギリスにない未知の植物を集め、自分の庭園で育てました。パーキンソンはスペインの八重咲き水仙(the Spanish double-flowered daffodil)を、イギリスで最初に育てた人です。

プラントハンター (講談社学術文庫)

プラントハンター (講談社学術文庫)

 

 

パーキンソンは、ジェラードと同じように、私的な庭園を作ったことでも有名です。ラドゲート・ヒル(Ludgate Hill)に住んでいましたが、彼の庭園は郊外のコヴェント・ガーデン( Covent Garden)のロング・エーカー(Long Acre)、現在のトラファルガー広場の近くにありました。

この庭園についてはあまりわかっていませんが、パーキンソン自身やほかの人の文章によると、少なくとも2エーカー(8,100平方メートル、2,450坪)の広さで、塀に囲われていました。そこで484種の植物が育てられ、記録がとられました。

ジェラード著『The Herball or Generall Historie of Plantes (本草または一般の植物誌)』を改訂した植物学者トーマス・ジョンソンや、ハンプシャーの植物学者ジョン・グッドイヤーも、この庭園にやってきて種を採取したそうです。

 パーキンソンは、当時のもっともすぐれたガーデナーの一人でした。また、イギリスや大陸の植物学者、ハーバリスト(薬剤師)、植物栽培の達人(plantsmen)たちと、親しく交流していました。ジョン・ジェラード(John Gerard)や、庭師・旅行家・収集家として有名なジョン・トラデスカント(John Tradescant the elder、親子で有名ですが親のほう)とも友人で、特にトラデスカントとは親友だったそうです。ちなみに、ジェラードとパーキンソンは22歳差ですね。年の離れた友人です。

そして、フランドルの植物学者マティアス・デ・ロベル(Matthias de Lobel、ロベリウス)とも付き合いがありました。『Theatrum Botanicum(広範囲の本草学書)』にデ・ロベルの未発表研究が含まれているのは、友人だったからでしょう。パーキンソンの本によると、29歳年上の友人デ・ロベルは、ロング・エーカーの庭園によくやってきて、パーキンソンの才能を褒めたたえたそうです。このエピソードを書き残すパーキンソンがかわいい(笑)尊敬できる友人に褒められるって、うれしいですもんね~

 

参考:歴史的な公園・庭園についての情報サイト(英語)「Parks & Gardens UK

行きたい、イギリスの庭園を見に行きたいです・・・!