アトピー性皮膚炎の基本情報おさらい②アトピー素因
アトピー素因とはなんでしょうか?
こちらも日本皮膚科学会の定義を見てみましょう。
1)家族歴・既往歴 (気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれ、あるいは複数の疾患)
または
2)IgE抗体を産生し易い素因。
つまりアトピー素因とは、「アトピーになりやすい体質」のことですね(まんまですが)。
1)は、患者さん自身か近い血縁者が、アレルギーになりやすい体質であること。
2)は、IgE抗体(免疫グロブリンE)を作りやすい体質です。「IgE抗体」は、検査結果で見覚えのある方も多いかと思います。免疫グロブリンの一種で、ヒスタミン分泌やアレルギー反応に関与するものです。
ただし、アトピーだと必ずアトピー素因を持つわけではなく、また、アトピー素因があってもアトピーにならない人もいます。「IgE抗体を作りやすい体質」は、アトピーの要因の一つではあるけど、ひとつでしかないんですね。
また、遺伝するのはIgE抗体を作りやすい体質であって、アトピーやぜん息といった病気そのものが遺伝するわけではありません。
アトピー素因をもっていても、人によって現れる症状や病気は異なります。それは、臓器の過敏性が、それぞれのアレルギーの病気をもたらす大きな要因になっているからです(鼻粘膜が過敏だとアレルギー性鼻炎として現れる、という風に)。
参考文献はまたまとめてご紹介します。